同じ色は、二つとない。
気温、湿度、素材の状態。染めのたびに条件は変わり、色は毎回違う表情になる。職人とデザイナーの手が、その日の色を決める。
大地(aina)から生まれる色に、同じものはない。その一点が、あなたの一枚になります。
ベンガラ染め
ベンガラの語源はインドのベンガル地方。シルクロードを渡り日本に伝わったこの酸化鉄の顔料は、陶器、漆器、家屋の塗料として日本の暮らしに深く根ざしてきました。ラスコーやアルタミラの洞窟壁画にも見られる、人類が最初に使った色素のひとつです。日光による褪色が少なく、経年変化に強い。着るほど、洗うほど、布と色が馴染んでいく。古代から変わらない顔料の性質が、現代の服に時間を重ねていきます。
ベンガラ染めは、京都のアトリエで一枚ずつ手で染めています。服を設計する手と、染める手は、同じです。京都の四季の色、地下水がもたらすやわらかな空気、町に残る静けさ——そうした土地の記憶を手がかりに、染め場で布と向き合います。色の濃淡を判断し、布との対話を重ねながら染め上げる。一枚ごとに異なる表情は、その瞬間の感覚と自然の色が重なって生まれたものです。
奄美の泥染め
奄美大島に古くから伝わる泥染めは、島固有のテーチ木(車輪梅)の煮汁で布を何度も染め、その後、田んぼの泥に沈めます。タンニンと鉄分が反応し、深く沈んだ黒褐色が布に宿ります。
染め重ねた回数が、そのまま色の深さになる。染液と泥を繰り返すたびに色が積まれ、最終的に重量感のある黒へと変化していきます。工程を短縮することはできません。時間そのものが染料です。
わずかな気温や湿度の変化が、色の振れ幅を生む。職人がその日の条件を見極め、工程を重ねる。だから一枚ごとに異なる表情を持つ。機械には再現できない。それは欠点ではなく、この染めの本質です。
新万葉染め
京都・川端商店と三重大学の木村光雄名誉教授との共同研究から生まれた染色技術です。天然由来の色素を用いながら、従来の草木染めでは難しかった色域と堅牢性を実現しています。
廃水においても自然に回帰する素材と助剤を使用し、環境への配慮を工程の中に組み込んでいます。天然染めの可能性を押し広げた技術として、aina styleの染めの選択肢に加えています。
染色方法の表示について
aina styleでは、天然染めの商品に「天然染め」と明記しています。一部の商品では、天然染めでは難しい色域や洗濯・日光への耐性を高めるために、媒染補助剤または環境負荷の低い薬品染めを使用しており、完全な天然染めとは異なります。素材や染めについてのご質問は、お気軽にお問い合わせください。
一枚ごとに、染められたその日が宿る。